反共産主義で有名な旧「世界基督教統一神霊協会」=「世界平和統一家庭連合」が、執拗な性教育バッシンングを行ってきたことは知られています。
反社会団体旧統一協会はなぜ、反共産主義を叫び、執拗な性教育バッシングをするのか。
1992年性教育がブームになった年から始まった性教育バッシングとたたかってきた筆者が統一協会の目的とやり方を詳しく解説した本です。
なかなか周到で驚きました。性教育バッシングは日本よりアメリカの方が先だったのです。目次を紹介します
はじめにー「政治的逆流の手はじめ」としての性教育バッシング
補足資料1 統一協会のフロント組織と企業一覧
1、1992年の「新純潔宣言」と「統一原理」
2、統一協会の結婚観と『原理講論』
第2章 国と地方における“過激性教育”キャンペーン
1、山谷議員は国会におけるバッシングの火付け役
2、右派メディアのキャンペーン
第3章 七生養護学校事件と「こころとからだの学習」裁判
ー“あってはならないこと”を許さずたたかいぬいた10年のあゆみ
1、七生養護学校事件とは
2、七生養護学校事件の用意周到な準備
3、「こころとからだの学習」裁判のとりくみと判決内容
第4章 世界の性教育のスタンダード
ー包括的性教育の時代へ
1、「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」の特徴と内容
2、各国の教育現場でどのように活用されているか
3、「ガイダンス」を生かす性教育の課題と展望
1、性教育バッシングの先兵役としての研究者たち
2、統一協会は「研究者」をどう見て懐柔してきたか
終章 統一協会の今後
補足資料2、統一協会とそのフロント組織による策動、協力者・自民党の動き、それらの策動に抗した動き(年表1、2)
宗教右派と自民党右派の結託(毎日新聞) - Yahoo!ニュース
著者へのインタビュー記事をリンクしておきます。
私の知らなかった驚くべきことが、たくさん書いてありました。
性教育バッシングをするために、世界標準の性教育(包括的性教育)を否定する論陣をはるための学者・研究者を集め養成するため、文鮮明氏は「世界平和教授アカデミー」を作っています。
文鮮明氏が作った「世界平和教授アカデミー」
「金はそういらないよ。多少の賞金をかけてみて、世界の学者達に、原理を研究して合格した人に対して授与すると宣伝してごらん。学者達は目を丸くしてびっくりするよ。・・・・優秀なる学者達を全面に立たして、学会を中心にして思想的体系を彼らに発表させるようにさせれば、自然と問題になるんだね。この道を国家的運動まで発展せしめるには如何にするか・・・・そこで文化的活動をする。雑誌や新聞などを知識層を目的にどんどん出版する。そうすると、来るなと言っても自分からやってくるようになる」(『ドキュメント異端』85~90ページ。原典は世界平和統一家庭連合伝道教育局編『み言に学ぶ伝道の姿勢/伝道ハンドブック(第1集)み言編』新装版、光言社、2015年にも掲載)
金によって影響力を広げ、しかも「統一原理」を研究させるとう作為的な意図があったことが示されています。
反共も性教育バッシンングも保守票を掘り起こし、政権の中枢に入り込むためとのこと。
まともな性教育を受けることができなかったこどもたちが被害者です、しかし、浅井先生たちの「包括的性教育」はそれにもめげず、裁判にも勝ち(七生養護学校事件)、日本に根ずく努力を続けてこられました。
性は生につながっている。幸せに豊に生きることをこどもたちと共に考えるそういう学問に育っていました。