政党助成金は憲法違反というのは知っていた
自分が支持していない政党に強制募金させられるのだから思想信条の自由を侵す
しかし、本書を読んでそれ以上の被害があることを知ってびっくり
例えば、公選法では株主の思想・信条を侵害する企業の政治献金が禁止されず許容されていると指摘
確かに!企業団体が特定の政党に献金すれば、そこで働いている従業員や株主など異なる支持政党を持つ多様な人々の人権が侵害される
先生は、日本の法律ではいまだに、議会制民主主義が実現していない途上国
日本国憲法の要請する方向に法律改正すべきと主張される
民意を正確に反映しない小選挙区制(4割強の得票率で8割近い議席を得る)だと大政党に過剰代表が生じる
政党交付金の額は半分は「議員数割の額」と半分は「得票数割の額」を合計したもの
つまり、民意を正確に反映していない過剰代表の政党に圧倒的に有利で多くもらうことになる
先生は、政党助成金をやめるために過渡的な政策として議席数ではなく、各政党の実際の得票率に250円を乗じて算出するようにしたらいいと提案されている
これだと、だいぶ現状より金額が少なくなる
衆参比例代表選挙の得票数で試算すると317億7000万円強から120億2000万円弱になる
政党助成金は、1994年当初は政党が助成金に過度に依存しないようにはどめがあり「前年収入額の3分の2まで」という上限があったのに、1995年にはこのはどめは撤廃された
また1997年の「政治改革」の本音としてリクルート事件やゼネコン汚職を口実にして、「政治改革」してから憲法改正論が主張されはじめた
この本音は、汚職などどうでもよくて、改憲を党是とする自民党などの保守政党が財界からの政治献金と税金を原資とした政党助成金で党の財政を十分賄い、小選挙区選挙により過剰代表され、3分の2以上の議席を獲得することになれば、アメリカの戦争に参戦するための9条改憲も実現可能になると経済界は考えていた
さらに、自民党は「国は、政党が議会制民主主義に不可欠の存在であることに鑑み、その活動の公正の確保及びその健全な発展につとめなければならない」という文言を憲法に書き込み憲法違反の政党助成法を合憲にすることまで考えていた
びっくり、政党助成金・・・深いなぁ・・・憲法とのからみが
さすが憲法学の上脇先生の指摘は鋭い
先生の提案はもっと細かいんだけど、上記はかいつまんだもの
私が読んだのは「政党助成金まだ続けますか」日本機関紙出版センターの第二編以降
政党助成金の理論上の問題点
政党助成制度のしくみと使途実態の概要
違憲の政党助成法による人権侵害
民意歪曲に基づく過剰交付問題
“政党の国営化”問題と“政党の本質”問題
人権を侵害する政党助成は違憲
政党助成金廃止までの過渡的改革案
制度そのものの改革案
基金の廃止と使途の透明化の徹底