突然 共産党事務所に高校生が質問!

高校生に限らず、「共産党は国会でいい質問をしているが、社会主義ソ連や中国

のような自由がない社会だと思う、共産党はどう考えていますか」こう考える人は日本では多数派かも知れませんね。皆さんはどう思いますか?

 

しんぶん赤旗より

第4章 世界資本主義の矛盾と科学的社会主義

(14)世界資本主義の矛盾の深化と社会主義への期待の広がり

 前大会で行った綱領一部改定では、世界資本主義の諸矛盾を明らかにするとともに、そのなかでも、「貧富の格差の世界的規模での空前の拡大」「地球的規模でさまざまな災厄をもたらしつつある気候変動」の二つを、世界的な矛盾の焦点として特記した。

 この二つの大問題は、新型コロナ・パンデミックのなかで顕在化し、いよいよ深刻化している。"資本主義というシステムをこのまま続けていいのか"という声が、さまざまな形で起こり、社会主義への新しい注目、期待が広がっている。

 空前の規模での格差拡大......貧富の格差が、パンデミックを経て空前の規模で拡大している。「世界不平等研究所」が2021年12月に発表した調査によれば、コロナ前の2019年から2021年にかけて、世界で2750人前後の「超富裕層」が資産を400兆円以上増やす一方、1億人が極度の貧困状態に陥った。上位1%に世界全体の資産の38%が集中し、下位50%の資産は2%にすぎない。

 国際NGO「オックスファム」は23年1月、2020年以降に新たに生じた世界の富、42兆ドル(約5360兆円)のうち、26兆ドル(約3320兆円)が富裕層上位1%に集中し、富裕層は、1日あたり27億ドル(約3445億円)もの資産を増やしているという報告書を発表した。富裕層と1日2・15ドル以下で暮らす極度貧困層が同時に増加している現在の傾向は、過去25年で初めてだと告発している。

 気候危機の深刻化......気候危機が、人類の前途をおびやかしている。世界各地で、異常な豪雨、台風、山林火災、干ばつが頻発し、猛暑、海面上昇が止まらない。

 23年7月、グテレス国連事務総長は、観測史上最も暑い7月となったことを報告し、「地球温暖化の時代は終わった。地球沸騰化の時代が到来した。もはや空気は呼吸するのに適していない。暑さは耐え難い。そして化石燃料で利益をあげて気候変動への無策は容認できない」と、厳しい言葉で告発した。

 国連気候変動枠組み条約の事務局は同年9月、世界の気候変動対策の進捗(しんちょく)状況について、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前から1・5度に抑える国際目標の達成に向けた「窓は急速に狭まっている」とし、気温上昇をおさえるために「あらゆる分野におけるシステムの変革が必要」と指摘した。

 気候危機の打開は、資本主義のもとでも最大の努力が求められる緊急の課題だが、それは同時に、その根本にある「利潤第一主義」の資本主義システムそのものの是非を鋭く問うものとなっている。

 社会主義への期待......貧富の格差の拡大への怒りをつのらせ、その解決への行動にとりくむ人々、気候危機を憂え、運動にとりくむ人々のなかから、資本主義の枠内での改革にとどまらず、資本主義そのものの「システム・チェンジ」を模索する動きが、国内外で広がっている。

 2022年秋に米国・英国・カナダ・オーストラリアの4カ国を対象にした世論調査(各国約1千人、世論調査会社レジェ・マーケティングほか)では、「社会主義は理想的な経済体制か」という設問に対し、18歳~34歳では、4カ国すべてで「同意」が「不同意」を上回った。「自国の社会主義への移行は経済や市民の幸福を向上させるか」という設問には、すべての国で「同意」が半数を超え、「不同意」を大きく引き離すという結果が出た。

 「社会主義復権」ともいうべき新しい期待が、とりわけ若い世代の間で起こっていることは、人類の未来をうつしだすものである。

(15)「人間の自由」こそ社会主義共産主義の目的であり特質

 こうした状況にかみあって、わが党綱領が明らかにしている未来社会論――社会主義共産主義の魅力を、広く伝えていく活動に力をそそぐことを訴える。

 わが党綱領が明らかにしている社会主義共産主義の社会は、資本主義社会がかかえる諸矛盾を乗り越え、「人間の自由」があらゆる意味で豊かに保障され開花する社会である。「人間の自由」こそ社会主義共産主義の目的であり、最大の特質である。

 ――「利潤第一主義」からの自由......資本主義のもとでは、生産の目的・動機が、個々の資本の利潤をひたすら増やすことに置かれることによって、さまざまな社会の害悪をつくりだす。個々の資本家の手にある生産手段を社会の手に移す「生産手段の社会化」によって、生産の目的・動機が、資本の利潤の最大化ではなく、社会と人間の発展にかわるならば、すなわち「利潤第一主義」から自由になるならば、この害悪は根底からとりのぞかれる。

 長時間過密労働で人々の健康と生命がむしばまれ、不安定雇用によって人間の「使い捨て」が横行するという、"生きた人間の浪費"は一掃される。今日の労働の非人間的な性格は大きく変わるだろう。

 くりかえされる不況や恐慌、気候危機という人類生存の危機までもたらしている資本主義特有の浪費型経済――「大量生産・大量消費・大量廃棄」の社会は、過去のものとなるだろう。人間と自然との調和のとれた発展をめざす「社会的理性」が十分に働く社会となるだろう。

 ――人間の自由で全面的な発展......未来社会における「自由」は、「利潤第一主義」からの自由にとどまるものではない。労働時間の抜本的短縮によって、「人間の自由で全面的な発展」が可能となる。ここに未来社会の最大の特質があり、真の自由の輝きがある。マルクスエンゲルスが、若い時期から生涯を通して追求し続けた人間解放の内容――「各人の自由な発展が、万人の自由な発展の条件であるような一つの結合社会」(『共産党宣言』)にこそ、わが党がめざす未来社会の内容がある。

 労働時間が抜本的に短縮され、自由な時間が十分に増えるならば、すべての人間が自分の能力を自由に存分に発達させることができるようになる。人間の自由で全面的な発展によって、社会全体がさらに大きく発展する好循環がもたらされるだろう。

 資本主義のもとで、開花されずに埋もれていた多くの人々の潜在的な力が全面的に発展し、それが人間社会の飛躍的な発展へとつながっていく――ここにこそ社会主義共産主義の未来像の一番の輝きがある。

 ――発達した資本主義国の巨大な可能性......発達した資本主義の国から社会主義共産主義をめざす社会変革の道は、人類にとって未踏の道である。この道は、「人間の自由」という点でも、はかりしれない豊かな可能性をもっている。

 それは、資本主義の発展のもとでつくりだされる五つの要素――(1)高度な生産力、(2)経済を社会的に規制・管理するしくみ、(3)国民の生活と権利を守るルール、(4)自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験、(5)人間の豊かな個性――を引き継ぎ、開花させた社会である。

 旧ソ連も、中国も、遅れた状態――これらの諸要素が存在しないか、不十分な状態から革命が出発したという歴史的制約にくわえ、指導者の誤りともあいまって、「人間の自由」に逆行するさまざまな否定的現象が生まれた。

 しかし、資本主義が発展した日本が社会主義共産主義の道に踏み出すならば、まったく違う素晴らしい可能性が開けてくる。わが党綱領は、日本における社会主義共産主義は、資本主義の時代に獲得した自由、民主主義、人権、個性が豊かに引き継がれ、開花することを固く約束し、旧ソ連や中国のような「一党制」や人権抑圧を絶対に起こさないことを明記している。その保障は綱領上の公約にとどまらず、発達した資本主義を土台にして革命を進めるという事実のなかにある。

 私たちは、「日本共産党」の名がいよいよ輝く時代に生きている。その名を高く掲げ、人類の未来にむかって前進しよう。