マルクスを知ったのは・・・・

エーリッヒ・フロム著「人間における自由」という本を読んだ時が最初でした。
 
実はこの本社会に出る前の19歳の時に買って読んだのですが、難しくてさっぱり理解できず、積読状態にしていました。
 
二十歳で就職して2年経過したところで、私は職場に違和感を感じていました。
例えば私の会社では、社長が慰安旅行に連れて行ってくれるのですが、実は得意先接待旅行でした。
 
社員は二人。その社員は社長が手配してくれたタクシーで観光します。
社員以外の参加者はゴルフをしています。
 
タクシーの運転手さんは「タクシーで観光なんてお宅の会社の社長さん太っ腹だねえ」と言ってくれたのですが・・・・。別にゴルフはしたくないけど・・・なんとなく、体よく追い払われた気分でした。
 
まあ・・そんなことが、色々とあったのです。
 
そんなときに、あの本を取りだして読んだのです。
びっくりしました。あれほど難しかった内容が、スポンジに水を含ませるみたいにスウっと入ってくるのです。まったく難しくありません。
なぜ?どうして?急に頭が良くなったの?
 
いいえ違います。私が感じていた違和感の正体「疎外」が解説されていたのです。
それも資本論からの引用で。
フロムという人はよほどカール・マルクスが気に入っていたのでしょう。
全篇資本論からの引用で満ちていました。なんと見事に私の気持ちを言い当ててくれるのだろう、と感心しました。
読み終わると、なんだか資本論を読んだような気になってしまいました。
 
内の母は「共産党の人は頭がいい」と嫌味をいいます。つまり「分からない」ということでしょうね。
でも私は共産党の人がいうことがよく分かるのです。
 
だって現実に私は毎日搾取されているし、疎外されているのです。
理屈でわかったんじゃなくて経験したから分かったのだと思います。