助かる命が助からなかった無念・名古屋大学病院のこと

名古屋大学病院が、手術の必要な患者さんを3年間放置し、その後手術をうけるも亡くなり、病院側が遺族に謝罪する。という事件がありました。
 
なんとお気の毒な人でしょう。
 
そう思いながら自分の手術の時を思い出しました。
私は良性の腫瘍で、ガンではありませんでした。
でも、かなり大きくなっていたので、苦しく、腸への癒着も心配という状態でした。
 
主治医は大学病院への紹介状を書いてくれ、受診し、手術しようということになったのです。でもその時点で二か月待ちと言われました。
 
その大学病院はガンの患者さんが優先です。二か月後先生から電話があったのですが、私は不在で連絡がとれませんでした。その後は連絡なし。
 
ああこれは、後回しにされたなと思いました。同じ時期その病院で、麻酔医の初歩的なミスで患者さんが植物人間になるというニュースが流れました。
 
連絡がこないをいいことに、手術をキャンセルし、別の病院へ。
 
その病院はガンは診ない、腫瘍だけ診る。という診療方針だったので、早く切ってもらえそうだと思ったのですが、できるなら腫瘍を小さくして横切りにして傷跡を目立たなくしようと欲を出しました。
 
結局これがいけなかった。やってみたけどダメだったのです。
 
縦切り10センチ、手術は半年後と決まりました。先生は「ゴメンネ」と言ってくれました。
話しを元に戻して、あの名古屋の患者さんがもし、私だったらどうしただろう。と考えました。
 
今日のニュースによると、その患者さんは大学病院の先生から、その時点でガンかどうかはグレーと聞いていたそうです。
 
グレーと聞いていて連絡がないなら、ガンじゃなかったと思います。ガンは手遅れになるまで自覚症状がないし・・・。
 
手術が必要ないなら、それにこしたことはありません。
 
手術をするのは大変でした。お休みを取らないといけないし、職場の皆さんに迷惑がかかります。
 
私だって、できることなら手術したくなかった。嫌で嫌でたまりませんでした。
 
その患者さんだって、そう思っていたのではないでしょうか。
 
そして今回は、病院側のミスで、すぐに手術すれば救われていた命が、救われませんでした。
 
ミスとはいえ病院側も患者さん側も無念なことだろうと察します。