数十年前、お墓ビジネスが流行った。
その頃、人はなぜかお墓を欲しがった。
お墓は飛ぶように売れていた。
そこに、某宗教団体が目をつけた。
僻地の自治体に募金攻勢をかけ、山奥に某宗教団体の霊園を作った。
住民から反対運動がおこったが、多額の募金を受けたからと抑え込まれた。
一基100万円のそのお墓は平たい石が置いてあるだけの質素なものでとても100万円には見えなかった。
しばらくして、歌が流行った。
わたしのお墓の前で泣かないで下さい/そこに、わたしはいません、眠ってなんかいません/千の風に~
世間のお墓熱はいっぺんにに冷めた。
お墓ビジネスに胸を痛めていた私の心にもさわやかな風が吹いた。