素錦くらい嫌な女はいない
“人の恋路を邪魔する奴は馬にけられて死んじまえ”とう言葉があるが、素錦は夜華と白浅の中を引き裂こうと邪魔ばかりする。
その悪知恵たるや!特に見事なのは、素素を言葉巧みに、精神的に追い詰め、自死に追いやる場面である。
夜華には嫌われているが、これが理解できない素錦。
なぜ、素錦は夜華にあそこまでとことん嫌われるのか!
実は、小さい頃から、夜華の邪魔ばかりしていたのである。
それが理解できない素錦は、なんとか夜華にかかわろうと果敢に挑戦するがことごとく失敗する。
まったく相手にされない素錦。
汚い手を使って、無理やり、夜華に嫁ぐ時など、夜華に剣で刺されてしまう。
それでもかまわず、まとわりつく素錦。自分ほど夜華を愛している女はいないと胸を張る。
ある意味スゴイ。
中々ここまでできないものである。
普通、誰かに嫌われている疎まれている、と感じ、暴力まで振るわれたら、ちょっとは距離をおくのではないか。
まったく怯まず、徹底的に、夜華の気持ちを考えない。
この夜華の気持ちがわからない、わかろうともしない、わかりたくない、自分の気持ちを受け入れてもらうことだけが目的という態度が嫌われるのだろう。
思想信条の自由、婚姻の自由、自由にはいろいろあるが、素錦には、自分の自由はあっても人には自由を許さない。
こういう所は私にもある。反省。
素錦をみては反省する。