男女の脳の違いを科学的に明らかにしたあの番組を見て初めて知ったこと

NHKスぺシャルには驚いた。そうだったのか!

私は崩壊した自分の家族のことを思い出していた。

家には、行事というものがなかった。誕生日も、クリスマスも、正月も。
私は、母に運動会も遠足も言わなかった。
運動会も遠足もいつものようにパンを買って持って行った。夜遅くまで働いて、泥のように眠っている母に、弁当を作ってくれとはとても言えなかった。
特別な記念日がない家族。面白くないはずだ。
両親もこどもの頃は戦争で、生きてるだけで精一杯、それどころではなかったのだろう。
自分が経験していないものをこどもに教えることなんてできやしない。
母にとっては衣食住が一番大切なもので、生活費を稼ぐことだけで精一杯だった。

いつか、母が言った。まるで自分は下宿屋をやっているみたいだ。と。
確かに!
家族の福利厚生というものがまったくない、我が家は下宿だ。
父も出ていったし。

Nスペは人と人との関係は努力して作るものだと教えていた。

私は不思議だったのだ、私の家族は、なにもしないのに突然、ヒビが入り、そのヒビがだんだん大きくなり、そのうちボロボロと崩れだして、壊れてしまった壺みたいだったのだ。
しかも、誰も壊そうと思っていなかった、壊れることを望んでなかった。でも、なぜ壊れるのかわからず、オロオロしているうちに壊れてしまった。
私はいつも、壊れた壺の前でボーゼンとしていた。
私は、いつしか、人間関係というものは、あの壺のように、突然、理由もなく壊れだし、そうなったらもう、なすすべもなく見ているしかないものという固定観念ができあがった。
私は人間が恐ろしくて仕方がなかった。
目の前で親しげに微笑んでいる人が、そのうちそっぽを向いて離れていってしまう。
理由もなく・・・・。

でもそんなことないんだよね、理由はあるんだ、気がついていないだけ。
壊さないように、壊れないように大切にする方法はちゃんとあるし、実践するだけ。
その努力もしないで、突然壊れたなんて・・・思い込みだったんだ。

離婚しない夫婦、ずっと仲良しの友人・・そんな人たちが実際に存在している、どうやったらそんな風にしていられるのか、よく観察するとやはり中々の気遣い心遣いをしている。
私に足りないもの、私の家族になかったものだ。