ピース大阪入口の母子像について

 大阪市森ノ宮にあるピース大阪の玄関前に変わった母子像があります。
女性の裸像ですが、うつぶせで、頭の上に伸ばした手の中に乳飲み子を掲げています。
何を象徴しているのか説明を聞くまでわかりませんでしたが、聞いてびっくりでした。

 これは、大阪大空襲で、乳飲み子を抱えて逃げ、火に囲まれ、ついに逃げ場を失った母親の姿だったのです。

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母親は必死で炎の中を逃げたものの、周囲を火に囲まれ逃げられなくなりました。それでも、なんとか赤ん坊の命だけは助けたいと、素手で地面を掘り、その中に赤ん坊を入れ、自分の体でふさぎ、こどもを炎から守りました、しかし、その後は焼死体となりました。こういう遺体が何体もあったそうです。
なぜ素手で地面を掘ったのがわかったかというと、焼死体の10本の指すべての爪がはがれ落ちていたのだそうです。
母子像のお腹のところが、うがかれているのは、お腹の下に、こどもを隠していたから、お腹の下にこどもを置いたのでは、見えないので、両手に掲げさせてあり、また実際は無残な焼死体ですので、美しい裸像で表現されているのではないでしょうか。母性愛を感じます。

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ピース大阪は、大阪大空襲に特化した展示をしていて、実物大の焼夷弾のレプリカ、3Dマッピングによる、空襲体験ができます。焼夷弾は鉛筆のような細長い爆弾が36本束になっていました。投下後バラバラになり、これが空から雨のように降ってきたのです。この爆弾は紙と木でできた、日本の家屋がよく焼けるように工夫されいたそうです。

1945年の母子像は大変痛ましい像でした。戦争は本当にイヤです。どこの国でもやってはいけないということがが胸にせまってきました。
私たちの国、日本は加害と被害両方ある国です。
加害と正面から向き合い、謝罪することは、戦争を防ぎ平和な未来を創るために必要なことだと思います。
武運を祈るより平和を祈りたい。謝罪は国を貶めない、むしろ誇りを持てるようになるために必要だと思います。